世の中(世間)の生きづらさついて、様々な意見が見られます。
今回は、障がい者やHSPといった「少数派」に焦点を当てて、個人的に思うことを書きました。
障がい者の生きづらさ
「世の中の生きづらさ」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
私は、諸事情があって、社会人の途中になってから、障害者手帳を持ちました。
当事者になって感じたことは、何て生きづらい境遇なんだ…、という一言に尽きます。
例えば、障害者割引ひとつ挙げても、不便さが際立っているのです。
障害者割引の種類によっては、事務所の窓口での煩雑な手続きが必要で、ある自治体では事務所が不便な場所にあるという始末…。
体が不自由な人のための制度なのに、わざと不便にしているのか?、と疑いたくなりますよね。
また、ニュースで話題になった障害者雇用についても、問題だらけで唖然としました。
障害者手帳を持っているというだけで、一律に単純作業しか課さない求人の多いこと…。
やりがいの皆無な雑用を延々とやらされては、同雇用の定着率が上がらないのは当然なのです。
このように、世の中での障がい者の生きづらさは、軽減されたとはとても言えないと、私は思うのです。
HSPの生きづらさ
世の中で生きづらさを感じているのは、何も障がい者の人だけではありません。
例えば、ここ数年メディアにも注目されたHSPも、生きづらさを感じやすい人に挙げられています。
HSPとは「Highly Sensitive Person」の略で、「ひといちばん繊細な人」とか「敏感すぎる人」とか訳されています。
一般的な人より色々なことに敏感すぎるため、仕事や私生活で疲れ切ってしまうのです。
著者の私も、書籍を通じて自身がHSP気質であること、そのために今まで生きづらかったこと等、色々と気づかされました。
この疲れやすさが原因で、適応障害だとか神経症だとか診断され、職を転々としてきた経緯があります。
行き詰った私は、障がい者といいHSP気質といい、なぜ世間で生きづらいのか?、色々と分析をしました。
その結果、「少数派」だから生きづらい、という共通点に気づいたのです。
なぜ少数派は生きづらいのか?
この世の中では、実に様々な人々が暮らしています。
背の低い人や体の大きい人、右利きの人や左利きの人、神経質な人や大雑把な人…。
でも、全ての人が満足する世の中なんて不可能な訳で、どうしても多数派の性質が基準にされがちです。
そんな中で、少数派の人が不自由さを感じるのは、程度の差こそあれ当然だと言えます。
その程度が極端に大きくなると、障がい者やHSPといった言葉で呼ばれ、特別な人のように区別される…、個人的にはそう思うのです。
では、少数派の人が受ける生きづらさとは、具体的にどういうものでしょうか?
物質的な側面
先ほども書きましたが、世の中の物や仕組みなどは、多数派の人を標準として作られることが多いです。
物を作る際には、同じものを大量生産する方が効率化が図れて、コストダウンに繋がるからです。
そのため、服を例に挙げると、標準体型からかけ離れた人は、割高になったりオーダーメイドをしたりと、余計なお金がかかってしまいます。
この仕組みが、世の中のあらゆる物に適用されているから、「標準」から漏れた人は不便を強いられることになります。
特に、狭い面積に大人数が住んでいる日本では、多数派を標準にしないと世の中が上手く回らないのです。
でも、それでは重い障害を抱えた人は暮らしていけないから、障害者手帳という制度で線引きをして、福祉サービスなどのサポートがあるのだと思います。
精神的な側面
物質的な側面では、少数派の人が受ける負担を減らすことは、さほど難しいことではありません。
私が問題だと強く感じるのは、精神的に少数派が端へ追いやられることです。
私は、人生の途中から障害者手帳を持ちましたが、健常者(多数派)との精神的な隔たりに愕然としました。
障害者手帳なんて、役所が線引きをした制度に過ぎないのに、それを持っているというだけで特別扱いが過ぎるんですよね。
健常者の人は、その特別扱いが配慮だと勘違い?していますが、ハッキリ言って逆差別だと思うのです。
もっと言えば、配慮しているフリをして、障がい者という枠に追いやっているのでは?、とも感じます。
その証拠に、私が実際に経験した障害者雇用の現状は、仕事を渡さないというパワハラそのものでした。
根強く残る少数派への差別
人間というのは、多数派に迎合しやすい生き物で、日本人は特にその傾向が強いと感じます。
私は、いくら物質的な配慮で平等を目指しても、根底にある精神面の問題に目を向けない限り、平等な社会なんてあり得ないと思っています。
現在の世の中は「平等という名の不平等」に陥っている…、だから滑稽に映るのではないでしょうか?
近年では、障害者雇用のほかにも差別的用語の制限といった、色々な配慮が広まってきました。
でも、当事者の立場に立つとよく分かるのですが、このような配慮は見当違いなことが多く、差別思想に拍車をかけている場合もあると思います。
こんな世の中に真っ当な期待をするから、裏切られては傷ついてを繰り返し、生きづらさが増大するのだと感じます。
生きづらい世間との付き合い方
これだから、日本は生きづらい…
とは言っても、海外移住するなんて現実的ではありませんし、急に世の中を変えるなんて不可能に近いです。
でも、ジッと我慢するばかりでは、自分が腐っていくだけ…。
では、世間と上手く付き合う方法なら、無理なくできると思いませんか?
本記事に関連して、「世間に振り回されない」というテーマで、note記事にまとめました。
お勧めの映画
生きづらさを抱えている人に向けて、お勧めの映画を2つご紹介します。
いずれの作品も、少数派の生きづらさについて鋭い視点で描かれており、心が少し軽くなると思いますよ♪
バートン監督については、『ダンボ』もお勧めですね。
奇才な監督として有名ですが、重いテーマを独自の視点で描いた良作が多いんです。
『ジョゼと虎と魚たち』は、私が一番好きな映画でして、別の記事で紹介しています☟