ナカポツと就労移行支援、私はどちらを利用するか迷いました。
…が、両者は似て非なる障害福祉サービスで、人により向き不向きがあると感じました。
失業中の悩みは「暇すぎる」こと
失業中に何をして過ごすか?
これは職を失った誰もが、一度は抱える悩みだと思います。
もちろん、失業給付と求職活動のために、ハローワークへ通う必要があります。
…が、1週間の大半を費やしていた労働が無くなり、一気に自由な時間となるのですから、時間を持て余すのは当然ですよね。
ここで、障害者雇用で勤務していた人の場合、失業給付期間を一般雇用の人より長くもらえます。
失業給付期間が長いのは、障がい者への配慮?とのことで、助かる一面はあると思います。
しかし、障害者雇用は求人自体が少なく、求職活動をするにも限りがあるんですよね。
つまり、一般雇用の求職者よりも、膨大な時間を持て余しやすいのです。
今回は、そんな悩みを持つ方へ向けて、私の体験談を書いてみました。
失業中の障がい者向けの福祉サービス
失業中の障がい者にとって、単独での求職活動は、大変な困難を伴います。
私は、社会人の途中から障害者雇用を利用しましたが、一般雇用との差を痛感しました。
そして、行き詰まりを感じていた時に、2つの福祉サービスがあることを知りました。
- 障害者就業・生活支援センター:通称「ナカポツ」
- 就労移行支援事業所:以下「就労移行支援」
両者に共通するのは、「失業中の障がい者の支援」という目的です。
そのため、利用したことのない人にとっては、両者の違いが分かりにくいと思います。
…が、両者は似て非なるサービスであり、違いを知った上で選ぶことが大事です。
私は、ハローワークの勧めでナカポツに登録したのですが、ある理由で直ぐに就労移行支援へ切り替えました。
次の章では、その辺りの経緯と感想を、書いてみようと思います。
なお、就業はしており休職中の方には、リワークという障害福祉サービスが該当します。
ナカポツのデメリット
ナカポツとは、国による障害福祉サービスです。
行政サービスであるため、各都道府県に拠点があり、無料で登録して利用できます。
…が、登録したメリットはほぼ感じられず、デメリットばかりが目立ったので、いくつか挙げておきますね。
利用開始まで非常に待たされる
行政サービスの常なのか、とにかく待たされます。
ちなみに、私の場合ですと、ハローワークに希望の旨を伝えてから、登録のための面談まで、3カ月ほども待たされましたから…。
こんなに待たされているうちには、次の就職先が決まるかもしれませんよね(皮肉)。
不便な場所が多く通いにくい
ナカポツって、辺ぴな場所が多いんですよね。
本数の少ない路線バスを、延々と乗った先の終着駅とか…。
これでは、何か困ったことがあっても、通いようがありません。
職員が少なすぎて利用しにくい
通いにくさに加えて、職員が少なすぎるという、致命的な問題があります。
その証拠に、困った時に担当者へ電話しても、ほとんど繋がらないんですよ。
聞いた話ですと、ナカポツの職員一人で、何十人もの利用者を担当しているとか…。
これでは、十分な支援を受けられず、登録する意味すら薄れるのです。
以上の理由で辟易した私は、たった一ヶ月で見切りを付けて、就労移行支援へ切り替えました。
就労移行支援のメリット
就労移行支援とは、民間企業による障害福祉サービスです。
行政サービスではないため、毎月の利用料金がかかる場合があります。
とはいえ、利用料金がかかったとしても、それ以上のメリットが沢山ありますので、いくつか挙げてみましょう。
利用開始までがスムーズ
やはり、民間企業ということもあり、利用までの進展が早いですね。
ホームページから問い合わせたら、数日後には担当者から、面談予約の案内メールが届きました。
その上、各社とも無料体験が設けられているので、体験利用しながら検討できるのです。
ナカポツのように、数カ月もジッと待たされないのは、非常に助かることですよね。
便利な立地で通いやすい
全ての事業所が、便利な立地だと断言はできませんが、ナカポツほど辺ぴな場所はないと思います。
ナカポツと違って、就労移行支援は通所することがメインのため、通いやすさは重要ですからね。
通所日でない時に、何か困ったことがあっても、交通の便が良い場所にある、という安心感にも繋がります。
失業中の居場所にピッタリ
冒頭でも書きましたが、障がい者の失業生活は、特に暇を持て余します。
通う場所を失ったことで、精神的にも不安定になりがちです。
その点、就労移行支援を利用すれば、通う場所ができるため、生活にメリハリがつきます。
話す相手ができることから、精神的にも安定してきます。
第三の居場所を作ることは非常に大事で、就労移行支援を利用する最大のメリットだと感じます。
障害の程度に合った福祉サービスを選ぶ
なかぽつと就労移行支援は、支援の内容に重複する部分があるため、同時に両方を利用することはできません。
そこで、どちらを選ぶか迷うところですが、目安は障害の程度によると感じました。
つまり…
- 外出できず日常生活も困難→ナカポツ
- 日常生活や外出が可能→就労移行支援
ちなみに、ハローワークの障害者雇用窓口では、立場的な理由でナカポツを勧められます。
でも、失業中を有意義に過ごすなら、就労移行支援の一択だと思うのです。
多くの就労移行支援事業所では、無料相談や体験通所が設けられています。
実際に体験通所してみて、不向きだと感じたらナカポツにすればいいのです。
迷っている間に相談しましょう!
一人でモヤモヤしていると、精神衛生上よくありません。
どうしようか迷っている間に、まずは相談してみましょう(^^)/