障害者雇用の求人は慎重に選ぼう~官公庁はお勧めできない?~

i-think 少数派のつぶやき

年末年始にかけて、ハローワークで官公庁の障害者雇用の求人を、ちらほら見かけると思います。
障害者雇用枠としては給与面が良いのですが、安易に応募するのはリスク大かもしれません。

事の発端は障害者雇用の水増し問題

突然ですが、官公庁の障害者雇用といえば、このニュースを覚えているでしょうか?

障害者雇用の軽視が生んだ水増し問題:日本経済新聞

障害者の社会参加が謳われる中、呆れ返った人も多いと思います。
何しろ、法律を作り管理する側の組織が、それを守らず誤魔化していたのですから…。
その当時、私が働いていた職場の労務部長さんも、このニュースに憤っていたのをよく覚えています。

この後の冬に、ハローワークの求人検索では突如、官公庁の障害者雇用の求人を見かけるようになりました。
水増し問題の発覚を受けて、法定雇用率を達成するための緊急雇用であることは、素人目にもすぐ分かりましたね。

その当時、私は転職が頭を過っていたので、すぐ同求人に目が留まりました。
ところが、ハローワークの求職担当の職員さんからは、同求人を前向きに勧める言葉を貰えず、とても違和感を覚えたものです。

官公庁の障害者雇用は給与面が良い

それでも私は、その当時に働いていた職場(民間)の賃金の低さに悩み、給与面で恵まれている同求人にダメ元で応募しました。
ところが、ビックリするほどすんなりと内定をもらえ、そのまま転職へ踏み切ったのです。

今となっては、お金だけに釣られて転職したことを、非常に後悔しているのですが、詳しい理由は後ほどお話しますね。
ただ、後悔したのは私だけではなかったようで、それを裏付けるようなニュースが、転職後3か月も経たないうちに明るみになりました。(出所であった元記事は、何故か削除されていました。)

中央省庁の障害者雇用、水増し発覚後に採用した障害者131人離職:障害者雇用ドットコム

ちなみに、官公庁の職場といえば、交通の便が良く恵まれた立地が多いです。
また、職場の職員は国家公務員とあって、極端に変わった人(例えば、荒々しい人)は、民間と比べると少ない傾向があります。
そして、給与面がダントツに良いのですから、一見すると中途退職する理由が見当たりません。

でも、実際には上のニュースにある通り、たった数ヶ月で離職する人が続出したのです。
これには、相応の原因がある訳でして、実際に働き続けた私としては、当然の結果だと思いました。
一言でいえば、お金だけでは働くモチベーションを保てない、これに尽きますね。

実際に働き続けて感じたこと

私は、某省庁の地方機関に、非常勤職員として勤務を始めました。
ところが、入庁して早々、職場の問題点の多さに危機感を覚え、所属長に相談を何度も持ち掛けました。
しかし、所属長は話を聞くだけで理解を示さないため、一向に改善されることはなく、状況は平行線を辿るのみでした。

それでは、具体的に何が問題だったのかについて、3点にまとめて挙げておきますね。

有益なスキルがほぼ付かない

官公庁の業務というのは、非常に特殊なんですよね。
逆に言えば、官公庁でしか使わないやり方が多く、民間のやり方より遅れていると感じました。
民間で身に付けたスキルを活かし、さらに伸ばしていこうと思っていても、空回りするばかり…。
ですから、この環境に何年も浸かっていると、民間企業へ戻るのはかなり厳しいと思います。

やりがいが無くモチベーションを保てない

官公庁は民間企業とは違い、利益追求を目的としていません。
そのため、どうしても非生産的な業務が多く、民間肌の人にとっては苦痛となりやすいのです。
その上、障害者雇用の非常勤となれば、割り振られる業務がどんなものか、だいたい想像がつくことでしょう。
やりがいの無さが、民間企業での同雇用の比ではありませんから…。

暇すぎてメンタル面に不調をきたす

上の2点だけでも辟易しますが、おまけに慢性的に暇な状況となれば、危機感を抱くのが普通でしょう。
暇すぎる職場で、毎日の長時間を過ごしていると、明らかに自分の頭の働きが鈍っていくのが、手に取るように分かります。

座っているだけで給料が貰えるなんて羨ましい…、こんなことを言う人がいますが、この状況に置かれる辛さは、そう甘いものではありません。
たった数ヶ月で離職者が続出したのは、至極当然の結果でして、改善を試みて勤務をし続けた私は、メンタル面に不調をきたしてしまいましたから…。

障害者雇用の根底にある問題

以上が、私が実際に働いてみて感じた問題点ですが、なぜ一向に改善されないのでしょうか?

それは、官公庁にとって障害者雇用枠は、法定雇用率を達成するための数合わせが目的だから、これに尽きると思います。
もちろん、本音を掘り下げれば民間でも似たような理由でしょうし、それが現実だとは思います。
ただ、民間に比べて官公庁の方が、数合わせの色が濃いと痛感しました。

もちろん、私が勤務したのは地方の一機関ですが、正直なところ、どこも似たようなものだと思います。
その結果が、大量の早期離職者を出したニュースに、表れているのではないでしょうか。
ともかく、官公庁の障害者雇用の現状は、適材適所とは程遠いため、定着率が上がるはずもありません。

厳しい言い方ですが、やりがいを持って働きたい、スキルを付けて成長したい、という人には不向きな職場だと思いました。
「時は金なり」とは言ったもので、時間は有限で戻ってきません。
障害者雇用枠を利用する際には、賃金は少々低くとも民間企業を優先的に、慎重に検討する必要がありそうです。