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障害者雇用で働いて感じたデメリットと定着率が上がらない原因

memo-beside-tulip 少数派のつぶやき

障害者雇用は「デメリットしかない」とか、「やめとけ」という意見があるようです。
今回は、一般および障害者雇用で勤務した経験から、定着率が上がらない原因をまとめました。

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世の中に浸透してきた障害者雇用

いま、この記事をご覧いただいているのは、障害者雇用で働いている、もしくは検討中の方でしょうか?
もしかしたら、雇用主の方かもしれませんね。
今回は、特に雇用主の方へスポットを当てて、この記事を書いた次第です。

私は、社会人生活の途中から障害者手帳(身体)を持ち、障害者雇用で働き始めた者です。
元々は、一般雇用で働いていたのですが、身体機能のハンデが思った以上に足かせとなったため、途中から手帳の助けを借りています。

思い返せば、私が社会人になりたての頃は、あまり障害者雇用が知られておらず、私自身も全く無知でした。
最近では、ハローワーク(職業安定所)の求人検索端末を開けば、障害者雇用の求人を簡単に検索できます。
このように、ひと昔前と比べて認知度が上がったことも、私が手帳を持とうと決めた理由のひとつです。

障害者雇用が関心を集めたキッカケ

ここで念のため…

障害者雇用は、障害者手帳を持っている人のみが利用できる制度で、一定数を超える社員数の企業に雇用義務が課せられます。
とはいえ、社会全体から見れば少数派な訳でして、マイナーな制度であることは今も同じでしょう。

そのマイナーな制度が、世間一般の関心を集めた一番のキッカケは、このニュースではないでしょうか☟

障害者雇用水増し3460人 国の機関の8割、雇用率半減:日本経済新聞

まったく…皮肉なもので、世間虚仮と言わざるを得ないです。

障害者に限らず、少数派は生きづらいものです☝

障害者雇用の3つのデメリット

先ほども書きましたが、現在はどこのハローワークへ行っても、障害者雇用の求人だけを抽出して、簡単に閲覧することができます。
しかし、あくまでも閲覧ができるだけでして、職業相談や紹介状の発行は、一部の窓口でしか受け付けてもらえません。(私の住んでいる自治体だけでしょうか…。)

つまり、利便性がとても悪いんですよね。
唯でさえ、心身にハンデのある人が利用するのに、これでは本末転倒だと思いませんか?
この他にも、障害者雇用のデメリットは、労力をかけて雇用された後にも続きます。

業務が単調すぎる

そもそも、求人票に目を通した時点で薄々感じますが、とにかく単調作業が多いです。

実際に働き始めると、毎日のことなので想像以上にストレスとなり、じわじわとモチベーションを削られます。
単調作業が向いている人なら、むしろ都合が良いかもしれませんが、大半の人には辛いと感じるレベルだと思います。

これは、障害者の一括りで業務配分をしていることが、一番の原因だと感じます。
障害者雇用=単調作業…、どう考えても問題ですよね。

賃金が安すぎる

これも、求人検索をしている時点で気づくのですが、給料が軒並み最低賃金に等し…、そんな職場がほとんどです。

一見すると、割と高い月給を提示している求人でも、時給換算すると酷い場合が多いです。
疑問を感じた私は、ある面接で人事担当者に理由を聞いたところ、障害年金を受給している前提で賃金設定をしている、ということでした。

でも、これはハッキリ言って、雇う側の一方的な言い訳ですよね。
上でも書いたように、単調作業しか配分していないから、賃金も高く設定できないだけの話でしょう。

定着率が悪すぎる

これは、障害者雇用を受け入れる大半の企業で、悩みの種となっているようですね。

ただ、途中から障害者雇用を利用した私が感じるのは、定着率が悪くて当然だということです。
業務が単調すぎてやりがいが無く、おまけに賃金も安いとなれば、モチベーションを維持する材料がありませんからね。

障害者雇用の現状は、まさに負のループにはまっている訳でして、原因は雇用する側にあると感じます。
ほとんどの職場が、その原因に気づいていない、…いや、気づいていないフリをしている、私はそう思います。

仕事が暇すぎることも、障害者雇用にありがちです☝

障害者雇用の現場は実際どうなの?

では、障害者雇用での職場は、具体的にどんな状況なのか?
初めて、障害者雇用で働こうと考えている方は、気になるところだと思います。

私は、まだ数ヶ所しか経験していませんが、大きく分けて2パターンあると感じたので、ご参考までに書いておきますね。

民間企業の場合

ハッキリ言いますと、企業によりけりだと感じました。
建前上、障害者雇用を受け入れているだけの所があれば、積極的に採用して受け入れ態勢が整っている所もあります。
これは、ハローワークでしっかりと情報収集をすれば、ある程度はふるいにかけられます。

ちなみに、私が働いていた某企業の事務職は、いま考えれば受け入れ態勢が整っていた方だと思います。
ただ、賃金がとても安く単調作業が多いため、定着率は決して高くありませんでした。

このような中で、モチベーションを維持して長く続けるためには、障害者雇用の人が複数いる職場を選ぶことだと感じました。
また、不満に感じる点や前向きな要望は、黙っていないで上司に働きかけることも大事ですね。
皮肉なことに、私の場合は耐えられず退職した後に、要望していた職場環境の改善が行われたようです…(汗)。

仕事を辞めたくなったら、立ち止まって考えましょう☝

官公庁の場合

それでも、民間企業の場合はマシな方で、本当に問題なのは官公庁の場合です。
冒頭でも挙げました、水増し問題のニュースでご想像の通り、官公庁はその後、慌てて大々的に採用活動を始めました。
それは兎も角も、ただ頭数を揃えるだけの実態が、民間企業の比ではなかったのです。

私も、この点は懸念していたのですが、賃金など待遇面がダントツで良かったため、まぁ続けられるだろうと甘い考えで採用されました。
ところが、実際に働き始めると、業務が単調どころか、ほとんど用意されていなかったんです。

私は、汚いやり方には黙っていられないタイプですから、 離職をちらつかせつつ静かに声を荒げて(笑)、上司に改善を働きかけました。
慌てた上司は、業務を振り分けてもらうため他部署に働きかける…、そんなお粗末な状態なのです。

それでも、上司が動いてくれた私の職場はマシな方でして、完全に放置されている人も少なくないようです☟

「HP見るだけ」緊急雇用の障害者131人退職:読売新聞オンライン
(現在は何故か記事が削除されています…。)

私が実際に働いて、感じたことを書きました☝

障害者雇用の定着率を上げるために

以上が、障害者雇用の現状について、私なりに感じたことです。
では、今後どうすれば改善に向かうのか?、ここにテコ入れする必要があります。

そこで、雇用する側と働く側の双方について、個人的に思うことを書いてみました。

雇用する側へ望むこと

まず、障害者の一括りで業務の振り分けをしない、これに尽きますね。
障害の種類には、例えば身体と精神があるのに、同じ業務を課するのは見当違いと言わざるを得ません。

これは、実際に働いた私が感じたことでして、定着率が上がらない一番の原因だと断言できます。
一般雇用と同様に、適材適所な業務配置を心がけ、従業員のやりがいを大事にすることは、雇用主として当たり前のことではありませんか?

また、周りの従業員の人は、障害者雇用の人だからと特別扱いせず、普通に接してもらいたいと感じました。
特別扱いとは、距離を置くことは勿論ですが、変に優しくし過ぎることも含まれます。
私の場合、現職で特別扱いの違和感を払拭するのに、1年近くもかかりましたから…。

重いテーマですが、大事なことだと思うのです☝

働く側が努力すること

まず、就職活動中は、ひとりで腐らないこと、これに尽きると思いました。
私は、ハローワーク主催の障害者雇用合同面接会で、他の参加者と話をしたことがあります。
その時に感じたのが、どうせ駄目だろう…と端から諦めている人が、非常に多いことでした。
確かに、障害者雇用の現状を鑑みると、そういう心境になるのも理解できます。
でも、ひとりで腐っていたところで、誰も助けてはくれませんし、採用から遠のくのは明らかです。

次に、働き始めてからは、自分を売り込むことが大事だと感じました。
少なくとも、民間企業の職場であれば、要望が通る可能性があるからです。
単調作業だけで辟易しているなら、その旨を上司に伝えないことには、何も始まりません。
別の言い方をすれば、自分の安売りをしないということですね。
交渉のやり方次第では、賃金面などの改善が期待できるかもしれません。

就労移行支援を利用するのもお勧めです☝

おわりに

今回は、障害者雇用の現状について、雇用される側の立場で、率直に辛口な意見を書きました。
官公庁については厳しい言い方ですが、前向きな環境改善は期待できないでしょう。
仕事のやりがいがモチベーションの維持に必要な人は、民間企業を優先しての就職活動をおすすめします。

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