節分の恵方巻き、ハロウィンのお菓子…
SDGsが叫ばれても、食品ロスが減らない原因だと思うのです。
イベント(行事)が大好きな日本人
日本人はとにかく、イベントが大好きと言われます。
考えてみれば、昔からの風習だけを挙げても、かなりの数がありますね。
そして、それらのイベントに付き物なのが、いわゆる験担ぎの食べ物です。
- 正月:おせち料理
- 節分:恵方巻き
- 土用の丑の日:うなぎ
等々…、さらに細かいものを挙げれば、枚挙にいとまがありません。
さらに、日本の文化とは関係のない、クリスマスやバレンタインデーなどが、当然のように浸透しています。
近年では、ハロウィンやらイースターやら…、ここまでくると流石に呆れている人も、結構いるのではないでしょうか?
心もとないのか、刺激が欲しいのか知りませんが、思わず苦笑せざるを得ません。
イベントは業界の商売道具に過ぎない
正月明けの七草粥や七夕の素麵など、季節に見合ったものを食べる分には、不自然さは感じません。
でも、よく考えると違和感を覚えるイベントって、いくつかありますよね。
なぜ、違和感を覚えてしまうのでしょうか?
それは、昔から自然にある風習ではないから…。
率直に言えば、一部の業界によって企画され、偶々それが流行っただけなんですよね。
例えば、サンタクロースの服は某企業が考え出したものとか、バレンタインデーは某菓子メーカーが企画したものとか、聞いたことがあると思います。
その中でも、私が一番呆れ果てたものといえば、節分の恵方巻きです。
さほど興味はないけれど何となく買っている人は、割と多いのではないでしょうか?
昔からの日本の文化かと思われますが、実はコレ…違うんですよね。
一地方の風習に目を付けた某企業が、企画商品として出したら大当たりしただけとか…。
私たち一般消費者は、業界が仕掛けたイベント企画に、まんまと振り回されている訳です。
食べ物がらみのイベントは、ほとんどが似たような起源でしょうが、特に恵方巻きは滑稽で心が痛みます。
イベントが原因で増える食品ロス
ただのイベントなら、興味のある人達で騒げばいいのですから、他人に迷惑をかけない限り構わないと思います。
私が問題だと思うのは、業界が仕掛けたイベントのために、膨大な食品ロスが生じている事実です。
恵方巻きを例に挙げますと、先ほども指摘しました通り、世間の興味はいまいちだと思うのです。
恵方巻きが山のように積んであるのを見て、一体こんなに誰が買うのだろう?、と思ったことはありませんか?
毎年お馴染みのように、コンビニやスーパーで大量に売れ残り従業員に買い取らせる…、なんて話を聞きますよね。
近年になって、異常な盛り上がりを見せるハロウィンにも、同じことが言えます。
10月になると、何でもかんでもパンプキン味が店頭に並びますが、ハッキリ言って万人受けしない味です。
その証拠に、私が以前に働いていた某カフェチェーン店では、パンプキン味が大量に売れ残り、廃棄処分されていました。
大量に売れ残ることが分かっているのに、業界は延々と作り続けているのです。
そんな状況では、膨大な量の売れ残りは、廃棄されるために作られたも同然です。
SDGsに取り組むと言いながら、思考が停止しているとしか思えないですね。
今日の食べ物にも困窮している国が、この実態を知ったら一体どう思うでしょうか?
飽食という罪を重ね続ける日本
私はいつも、大型スーパーやデパ地下の光景を見ると、何とも言いようのない罪悪感を感じるのです。
広大なフロアーに、見渡す限り食べ物,食べ物,食べ物…、異様な光景だとは思いませんか?
- こんなに沢山の食べ物を、売り切れるのかな?
- これだけ様々な食べ物を、揃える必要があるの?
- どうして食べ物が、こんなに安く揃うのだろう?
何時だかのニュースで見かけましたが、食品ロスの内訳でスーパーマーケットが占める割合は、ダントツで大きいそうです。
先ほど書いたイベントだけでなく、私たちの生活にも問題がある訳ですね。
私たちが、飽食を当たり前のように享受している裏では、地元の資源や食べ物を根こそぎ奪われ、安い賃金で労働力を搾取され、苦しい生活を余儀なくされている人がいるのです。
大きな板チョコが何故あんなに安く買えるのか?、よくよく考えてみれば異常ですよね。
「便利過ぎる日本に住む=膨大な罪を作り続けている」ことに、目を向ける必要があると思うのです。
賢い消費者になって食品ロスを削減しよう
ようやく近年、日本でも食品ロスに対する意識が芽生えたのか、2019年10月には食品ロスに関する法律が施行されました。
民間企業でも、土用の丑の日に定番のうな重を予約販売制にする、といった取り組みがニュースになっていました。
これなんかは、何故もっと早くやらなかったんだ?、としか言えないですね。
以上のことから、私たち個人レベルの取り組みでも、社会に訴えかける可能性が見えてきます。
それは、無意味なイベントに参加するのを止めること、先ずはココからです。
皆で不買い運動を広めれば、業界も利益ありきですから、手を引くなり予約制にするなりするでしょう。
個人の努力で、無意味な食品ロスを減らすことは、決して難しくないのです。
業界に振り回されない賢い消費者を増やし、業界が手を引くキッカケを作りましょう!