便利すぎる社会の中、急に言われ始めたSDGs…。
聞こえはいいですが、実態は企業にとって格好の商売道具、矛盾だらけな滑稽さを感じます。
何でも手に入る不思議な国「日本」
私たちの住む日本は、実に便利で快適な国です。
スーパーマーケットへ行けば、食べたい物が選り取り見取り、溢れるように並んでいます。
ショッピングモールへ行けば、目移りするほど沢山の便利な物が、お金さえ出せば手に入ります。
コロナ過からWithコロナへと変わり、消費社会が元に戻りつつあります。
その最中、ロシアによるウクライナ侵攻により、エネルギー資源や物流など、様々な分野が影響を受けています。
でも、冷静に見回せば、私たちは今までと変わらず、便利な生活を送れていますよね。
実に不思議…、そう思いませんか?
便利すぎる生活にも不満な日本人
ちょっと立ち止まって、考えてみましょう。
欲しい物が、欲しいと思った時に、当たり前に手に入る…
これって、実に異常な状況だと思うのです。
その裏では、資源や労働力を只同然に搾取され、泣き寝入りを余儀なくされる人がいるのです。
例えば、中国や東南アジア諸国、といった国々です。
「made in ***」の表示で、よく見かけますよね。
私たち日本人が、便利さを追求すればするほど、搾取は際限なく拡がるのです。
しかし、こんなに恵まれているにも関わらず、ストレス社会やら奇怪な事件やらで、日本の世の中はどんどん変になっています。
これは、物の豊かさでは人は幸せにはなれないことが、まざまざと証明されているように感じます。
過剰な消費社会に欠けている精神
仏教の言葉に、「 足るを知る 」があります。
詳しい説明は省きますが、一般的によく説明されているのは、「身の丈に合った生活をする」という意味でしょう。
今回のテーマに当てはめれば、身の丈に合った物を身の丈にあった量だけ持つ、といった感じでしょうか。
この言葉に倣って、自分の身の回りにある物を、謙虚に見つめ直してみましょう。
おそらく、身の丈を超えた物を貪っていると、気づかされると思います。
私たち日本人は(もちろん先進国の人たちも)、「足るを知る」精神が欠けていると思うのです。
ただ、現代社会にどっぷり浸かっていて、この気づきは難しいでしょう。
もちろん私も、仏教の先生から教わって気づかされました。
でも、便利すぎる消費社会は譲らず、SDGsも推進しようなんて、矛盾するにも程があると思いませんか?
海外はSDGsが進んでいる?
昨今の世界情勢を見ても、SDGsに目が向けられ始めました。
特に北欧諸国では、日本よりずっと進んでいます。
例えば、スウェーデンの環境活動家グレタさんの活動は、経済大国における「足るを知る」精神の欠如が、主張の根底にあると思うのです。
また、「世界一貧しい大統領」として有名になった、ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領をご存知でしょうか?
ムヒカ氏が、ある国際会議で発した演説は、日本人へ向けての発言では?と、思わず恥ずかしさを覚えました。
ちなみに、ムヒカ氏の演説の内容は、子供向けの絵本になっています。
私は、「足るを知る」精神こそが、先進国の義務教育で教えることだと、つくづく感じます。
日本を含め、物に恵まれすぎている国の人たちが、「足るを知る」の教育を受けて浸透すれば、少しずつ問題が改善されると思うのです。